大野圭一のブログ

建築のことと日々のことと、

地域のイベントにて

 先月のとある週末、近所の公園で催されたプレイパークというイベントのお手伝いに行ってきました。

普段は遊具があるだけのごく普通の公園を、毎年1回、自治会有志のおじいさんたちが特別な遊び場に変えて、近所の子供たちに楽しんでもらうというイベントです。

その遊具全てが手作りのもので、ハンモックや、綱渡り、すべり台にひたすら水を流し続けるウォータースライダー、公園内の林の木の枝に、長いロープをくくりつけたかなりデンジャラスなブランコ、そして工作コーナー。総じて遊園地のようなクオリティはありませんが、なんだかとても温かみのある遊び場に見えて、そして何より子供たちが本当に楽しそうに遊んでいる姿をみて僕は感動しました。

もう10年以上続いているイベントということですが、子供たちに将来のため有意義な体験をしてもらいたいという思いを持った一人のおじいさんの呼びかけから始まったと聞きました。

自分の孫だけではなくて、地域の子供たちの将来に目を向けて活動されているこの方には本当に頭が下がる思いです。当初始めたころからは皆さん年齢も重ね、新しい有志の参加もなく、今後の存続が危惧されているそうです。

自分はまだこの街にきて1年経っていませんが、ここまで続けてこられた有志の方々への感謝と尊敬の気持ちをもって、プレイパークの活動には今後も参加していこうと思います。

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箱根へ

ゴールデンウィークに遡りますが、家族で箱根に行ってきました。

泊まった宿は、塔之沢にある「環翠楼」。建物は大正時代に建てられ、築100年とあって、その佇まいは、荘厳、厳格と言うよりは、むしろ周囲の自然環境の一部として溶け込み、建物自体の存在感が良い意味で薄くなっていると感じました。こればかりは、時間だけがなせる業で、新築の建物では太刀打ちできません。

人間でも、様々な苦難を乗り越えてきた人生経験豊富な人は、外見からもそのオーラのようなものが漂うように、建物もまた、地震、風雨など、無常の自然環境の中で生きながらえてきた年月は、その佇まいに現れるものだということを、この建物を体験して強く実感させられます。

僕は佇まいという言葉が好きです。視覚的な表層とは違って、周囲と一体となって醸し出される空気みたいなもの。建築にも魅力的な佇まいを求めていきたいものです。

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下の2枚の写真は旅の終盤に立ち寄った箱根写真美術館のカフェ。ケーブルカーの窓から偶然見つけて、線路沿いを一駅歩き、路地を入っていくと、そこには時間の止まった淀みのような場所が。短い旅でしたが、最後にうれしい発見がありました。

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3歳の建築家

家具のスタディ模型でしたが、僕が部屋を離れた隙に息子がこんな建物を作っていました。

1/20の模型でしたが、スケールを1/100に転換してみると、突如高層タワーの様相を帯びてきます。そんなことを息子は意図しているはずもありませんが、偶然できてしまっていることにむしろ魅力を感じます。

建物は当然の事ながら、人間のスケールを前提に考えられます。天井の高さ、部屋の広さ、廊下の幅などなど。だけど、偶然に出来上がった物体や空間に、人間がそこに寄り添って建物としての命を吹き込むという関係も面白いのではないかなあと思っています。

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599 museum

昨日、家族で高尾山へ行ってきました。

 

麓から山の中腹までケーブルカーが走っていたので、電車好きの息子が喜ぶだろうと

早速乗ったが最後、気に入りすぎて、すぐにもう一回乗りたいと駄々をこね始める始末。息子の気分を他にそらすべく、近くの猿園に入ってみたり、ソフトクリームを食べてみたりするも、ぶれない息子に根負けしてあえなく下山。そこに山があるのに登れないというなんとも消化不良な流れになってしまいました。

 

しかし、そんな残念な展開に救いの手を差し伸べてくれたのが、TAKAO 599 MUSEUM。昨年夏にオープンしたばかりということですが、展示の美しさに感動。一気に気分が上がりました。

 

白を基調にした空間に、昆虫、植物、動物たちが、それぞれ美術品のように展示されていて、展示物ひとつひとつに気持ちが引き込まれていきました。中にはゴキブリの標本なんかもありましたが、それさえ綺麗に見えてしまうのはとても不思議な気分です。

他、高尾山に関する情報も分かりやすく紹介されていて、丁寧に計画された場所だなという印象です。

 

今度はちゃんと山頂に登ってからここに立ち寄りたいと思います。

次は夏かな。

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我が家

我が家が上棟して4ヶ月。

施主と設計者、2人の人間が僕の中に存在すること。存在させなくてはいけないこと。この難しさを感じながらここまできました。

思ったものを形にしたいという純粋な欲求を持つ施主としての自分と、それを費用面や施工方法などを具体的に検討して実現させる設計者としての自分。

自分(施主)が高い要望を出せば出すほど、自分(設計者)が乗り越えなければならない壁が増えていくというスパイラル。

楽をしたければ施主としての自分を封印してしまえばいいのだけど、そうしたら自分の成長が止まってしまう気もするし、なによりそんなことがうまくできる性格ではありませんので。

工事は外装、内装の仕上げに差し掛かろうというところですが、まだまだ施主の自分にいろんなことを考えさせてあげようと思っています。

工事関係者の皆様、もうしばらくお付き合いくださいませ。

 

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上棟

先月末に上棟しました。
木造の2階建なら1日で棟が上がるそうですが、わが家は少々複雑な構成となっておりまして、終わった頃には辺りはもう暗くなっておりました。現場の皆さまにはご苦労おかけしました。
正式な上棟式は執り行いませんでしたが、これから完成までお世話になる大工さんたちに挨拶をさせてもらいました。
僕は図面を描くだけで、実際に家を作るのは大工さんたちなわけで、そこへの敬意は常に忘れず、共にいい家を作り上げていきたいと思います。

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