松山と八幡浜へ
先週、とあるコンペの敷地の視察と現地説明会のため、1泊2日で愛媛県へ。
久しぶりの建物探訪。なかなか有意義でした。
到着してまず行ったのが伊丹十三記念館。周辺環境があまりよろしくないだけに、中庭型として内に向けた建築を計画したことに強く共感。また中庭の広さが程よくて、住宅作家の中村好文さんらしいとても温かい空間が印象的でした。
そして次は安藤忠雄設計の坂の上の雲ミュージアムへ。体調が思わしくなく、ここの写真は一枚も撮らずに終わり。スロープを上り続ける動線は体調が良くなかったこともあってか、ちょっと辛かった。。
夜には道後温泉へと思っていましたが、やはり体調が思わしくなく、翌日の視察を優先し夜はホテルでおとなしくしていました。ちょっと薄着しすぎたかな。
翌日は、すっかり体調もよくなり、レンタカーで八幡浜市まで。市が説明会の前後に市内の古い小学校の見学を用意してくださっており、全部で3校見ることができました。
まずは閉校となっている川之内小学校へ。
半外部、土間、天井の高い廊下、ハイサイドライト、そして時を経た木質仕上げ、この組み合わせは最強。もっといい写真が撮りたかった。。見学者もいっぱい。
周辺のいたるところで見られた石垣。
ファサードはモダンであり土着的。うっとりしてしまうこのバランス。これは時間の経過がなせる業なのでしょうか。
その後に見学した日土小学校は、重要文化財でありながら今も現役の学校で、見学の際にも小学生がいたため写真は非公開とします。だけど見学した中ではここが一番のお気に入り。
設計の松村正恒氏は、過去に土浦亀城のもとで勤務していたということで、この学校にも、土浦亀城邸に通ずるところが随所に見られ本当に感動的でした。
さて、コンペのほう、頑張らねば。
人生フルーツ
また映画の話。
前回同様、新百合ヶ丘のミニシアターまで電動ママチャリで行ってきましたが、途中桜もまだまだきれいに咲いていて、最近の不安定な天気の中よく残ってくれたなあと桜に感謝しつつ、午前中のさわやかな天気の中、ご機嫌に軽いペダルをこいで行きました。
今日観たのは「人生フルーツ」。
ある老夫婦のドキュメンタリー映画です。2人とも本当に魅力的で、こういう老夫婦になりたいなあと思いますが、その魅力はとうてい真似をすることはできません。人の魅力はそれまでに積み重ねてきた年月がそのまま現れてくるのだと改めて感じさせられます。
この映画の中でもうひとつ印象に残ったのが、映画の中で夫が亡くなってしまったことです。涙がこらえきれません。これは本当の死であること、1時間ちょっとの間でこの夫婦の魅力にほれ込んでしまったこと、それから夫90妻87という年齢によって、冒頭からうっすらと漂っていた人生の終焉の空気、それに対していつまでも生き続けてほしいという願望がある中での死。
映画の1シーンとは思えないリアルな感情が湧き起こりました。
本当にいい映画です。
夫婦、もしくは大切なパートナーと一緒に観てもらいたい映画です。
明けましておめでとうございます
年明け最初のブログですが、新年とは全然関係のない話。
ある晩、ひとりで風呂に入っていたときのこと、10代の頃に聴いていた歌謡曲が不意に頭の中を巡り始めたので、せっかくだからと声に出して歌ってみたところ、30年も前の曲なのに歌詞のほとんどを覚えていたことに自分でも驚いた。最近聴く曲は歌詞なんか覚えてもいないし、歌えてもせいぜいサビぐらいなものなのに。
なぜだろうと考えてみたけど、それは単純にどれだけ聴き込んだかによるのだろうなと。僕が10代のころは、お金もないし、インターネットなんかもなかったから、買ったCDやカセットをひたすら聴いていて、歌詞やメロディがもう体に染み付いてしまっていて、ある意味自分のものにできていた。でも最近はダウンロードした曲なんかは買ったことさえ忘れてるし、下手したら聴いたことさえ忘れてしまっている。なんか音楽との接し方変わっちゃったよな~、良くないよな~と。
さらにそんな思いは音楽から展開し、人との付き合い方もこれと同様のことが言えないかなと自問自答。最近はfacebookなどSNSによって、いろいろな人と繋がることができているけど、繋がったひとりひとりに対して、本当の意味でつながれているのだろうかと。さすがに限界はあるけど、そうやって繋がっている人とは極力直接会って、その人のことをちゃんと知ったり、感じたりしていきたいなあ、なんて思っていたらのぼせそうになったので風呂からあがりました。
以上、時々他愛もないことを考えています。
今年もよろしくお願いします。
建築コンクールにて
10月末に発表があったのですが、今年の神奈川建築コンクールにて、自邸(王禅寺東の家)が優秀賞を受賞致しました!事務所にとって処女作となるこの住宅作品がこのように公の場で評価されたことはとても励みになります。そして何より、この住宅を建てることを後押ししてくれた妻、そして妻の両親には改めて感謝の気持ちを伝えたいと思います。
先月出席した授賞式では、雑誌やインターネットなどでよく見る建築家の方々もいらっしゃって、同じ場所にいる自分がなんだか気恥ずかしく、恐縮してしまいましたが、昨年お世話になったゼネコンの設計チームの方たちともうれしい再会ができ、思い出に残る一日となりました。
さて、このブログでは、完成したわが家の写真がいまだにアップできていませんでしたので、ここでいくつか公開したいと思います。撮影は太田拓実氏によるものです。僕の思い描いていた空気感を期待以上に表現していただきました。この作品を通じて、信頼できるフォトグラファーと出会えたことも大きな収穫でした。
当事務所のホームページではここにあがっていない写真も掲載していますので、ぜひご覧ください。
Photo Takumi Ota
2度目の箱根
振り返ればもう夏の話になりますが、ゴールデンウィークに続く今年二度目の箱根に行ってきました。新百合ヶ丘に越してきてからは箱根がとても身近に感じます。
今回はMSEで。
今回の旅の目的のひとつ、村野藤吾建築「箱根芦ノ湖プリンス」へ。荘厳なインテリアの中にもラウンジチェアのかわいい造形がこの空間に居心地の良さを与えているのかもしれません。息子はここに置かれている電子ピアノの自動演奏を不思議な顔をして眺めていました。
朝はここで気持ち良さそうに新聞を読む宿泊客が。
前回の箱根旅行で、芦ノ湖で乗った遊覧船から見えたこの外観に魅かれて今回の宿泊先は即決。この有機的な建物はなかなか見られません。有機的な人工物と自然との関係。似て非なるもの。肯定とも否定ともとれない複雑な思いが頭の中を駆け巡ります。
静かな湖畔。
最後はロープウェーで大涌谷へ。模型のように見える俯瞰図に萌えました。
箱根、また来年。
地域のイベントにて
先月のとある週末、近所の公園で催されたプレイパークというイベントのお手伝いに行ってきました。
普段は遊具があるだけのごく普通の公園を、毎年1回、自治会有志のおじいさんたちが特別な遊び場に変えて、近所の子供たちに楽しんでもらうというイベントです。
その遊具全てが手作りのもので、ハンモックや、綱渡り、すべり台にひたすら水を流し続けるウォータースライダー、公園内の林の木の枝に、長いロープをくくりつけたかなりデンジャラスなブランコ、そして工作コーナー。総じて遊園地のようなクオリティはありませんが、なんだかとても温かみのある遊び場に見えて、そして何より子供たちが本当に楽しそうに遊んでいる姿をみて僕は感動しました。
もう10年以上続いているイベントということですが、子供たちに将来のため有意義な体験をしてもらいたいという思いを持った一人のおじいさんの呼びかけから始まったと聞きました。
自分の孫だけではなくて、地域の子供たちの将来に目を向けて活動されているこの方には本当に頭が下がる思いです。当初始めたころからは皆さん年齢も重ね、新しい有志の参加もなく、今後の存続が危惧されているそうです。
自分はまだこの街にきて1年経っていませんが、ここまで続けてこられた有志の方々への感謝と尊敬の気持ちをもって、プレイパークの活動には今後も参加していこうと思います。