大野圭一のブログ

建築のことと日々のことと、

天窓の訪問者

ある日の早朝、妻が、「天窓の上にカラスがいて気持ち悪い」と言うので、天窓を見上げてみると、カラスが2羽、ガラスの上で取ってきた木の実を食べていました。なぜあえて天窓のガラス面の上に立つのかは分かりませんが、下から見上げると、こちらを見下ろすカラスと時々目が合うように思えて、ちょっとした親近感が湧いてしまいます。

元々カラスに対しては、鳥類の中でも特に頭が良かったり、真っ黒な艶やかな風貌が見方によっては美しく見えるため、僕自身、嫌悪というよりむしろ好意的であったので、その光景を見た時は、密かな喜びを感じていました。

とはいえ、そのままカラスを居座らせるわけにもいかないので(面目上)、子供のバットを借り、屋上に上って一度は追い払ったのですが、大して怖がっていないようで、近くの電線からこちらの様子をうかがっています。しばらくして部屋に戻ると、案の定、再び我が家の屋上に戻ってきました。

おそらく追い払う僕の姿を見て、本気度の低さを察したのでしょうね。むしろ友好的な気持ちを感じ取ったのかもしれません。

その後も何度か我が家の屋上にカラスはやってきましたが、ここ数日は音沙汰がありません。もしかしたら、僕以外の家族がカラスの来訪を嫌がっているということを察して僕に気を使っているのかもしれない、「おお、カラスよ、なんていいやつ奴なんだ。人間でさえそこまでは察してくれないぞ」という、ありもしない勝手な想像をしながら、カラスの再来をこっそりと待つのでした。

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